【閉店】大塚「はなおか」さんで創作和食の日本酒ペアリングコース堪能!

      2023/03/22

(和酒店53)
日本酒ペアリングコースのお店を回り始めてからもうすぐ1年になりますが
当初からチェック対象の注目していたお店でした。

お店は大塚駅から約5分にある割烹、「大塚はなおか」さんです。
お店の公式ホームページはこちらになります。

再訪:2022/11/1 update

前回は約3年4ヶ月前くらいで今回は再訪です。

コース内容が前回から少し変わっており、
10種類お料理と6種類日本酒ペアリング、セットで合わせて10,700円のコースをいただきました。

お品書きの裏に

日本酒の出てくるタイミングについて説明が書かれてました。

 

そんなわけで早速コース開始です。

突き出し

薩摩芋と人参のすりながし

シナモンがかかっていて、
薩摩芋と人参の根っこ的な香りが綺麗に纏まっていました。
昆布の出汁も綺麗に後口に感じることができました。

冷菜&日本酒

そんなわけで早速最初の日本酒です。
まずは愛知県「醸し人九平次」別誂・純米大吟醸
からいただきました。

スペックは
22年8月製造、精米歩合35%、アルコール分16度
でした。

洋梨の白和え

茗荷三つ葉が混ぜ込んでおり、炙ったアーモンドがアクセントなお料理でした。

 

ペアリングのコメントにも書いてますが、
ただでさえ洋梨の香りと優しい甘味がすごく生きているお料理だったので、
本当にこのお酒のために作れられたお料理かと思ってしまいました。
というか、そのつもりでいただいちゃいました😅。

揚げ物&日本酒

日本酒は、新潟県「鶴齢」を。
しぼりたてですが、ただし去年のものでした。

スペックは
21年11月製造、精米歩合60%、アルコール分17度
でした。

 

飲み比べということで今年のものと飲み比べもさせていただけました。
ありがとうございます。
全然違いをメモしておらず、申し訳ございません。

 

メモ取りながら食べ飲みして、ペースが落ちていたので
(カウンターの別お客さんと同じペースで出されていたので)
いただくのに精一杯だったんです。。。

お料理は、季節野菜天ぷらでした。
右から
ロマネスコ・かぶ・かぼちゃ
でした。
右から順にいただいてくださいとのことでした。

 

かぶとかぼちゃは油の中で時間をかけて揚げていたとのことで
それぞれすごく硬い衣でした。

個人的なお気に入りは、ロマネスコでした。
こんなに味の濃いロマネスコは初めてかもと思う味わいでした。

 

鶴齢とのマッチングは、
これらのお野菜の天ぷら衣のコクが引き立てている野菜の味の濃さが、お酒の焦げ感やクセをマスクして、フルーティさを引き出してるように感じられました。

酢の物とお造り&日本酒

次の日本酒は、酢の物とのペアリングとして
高知県「土佐しらぎく」をいただきました。

スペックは
22年9月製造、酒米:高知県産吟の夢100%、精米歩合55%、アルコール分15〜16度
でした。

生牡蠣の酢の物

 

牡蠣は、赤ピーマン塩麹漬けペーストとほうれん草ビネガーが
色鮮やかに重ねられて器に盛られており、
混ぜないで一口で、とのことだが結構難しかったです(苦笑)。

まだ旬ではなく、ミルキーさは薄いですがその分スッキリいただけるところが酢の物として美味しいと思いました。

続いてはお造り、この日は〆さば(上)、鰤味噌和え(下)。

両方とも、和ハーブたっぷりな味噌和えでかなりボリュームありました。
個人的にはご飯が欲しくなる味わいでした(笑)。

 

と言いつつ、魚も素では個性のある味を持っているもののため、
それぞれの魚の身の旨味と、和えられている味噌のふくよかな旨味が
それぞれ調和して、日本酒を滑らかに口内に滑らすことによって
日本酒から優しい甘味が感じられるようになりました。

茶碗蒸し&日本酒

続いての日本酒は、石川県「天狗舞」純米
を。
55度まで上げたものを45度くらいまで下げて燗冷ましでいただきました。

スペックは
22年6月製造、精米歩合60%、アルコール分16度
でした。

どんこ出汁の茶碗蒸し・あん肝ペースト添え

ペーストは、クリームチーズとあん肝が混ざってるものでした。
このペーストはすごいです(表現しょぼすぎ笑)!
口に含むと、滑らかなクリーム状のトロッとした口溶けに、昆布出汁的な和出汁の旨味がきゅっと凝縮してました。
茶碗蒸しの旨味や口溶けとはまた別の旨味が日本酒とのペアリングをより楽しくしてくれました。

魚料理&日本酒

日本酒は、滋賀県「松の司」純米酒

温度を10度に調整したものをいただきました。

 

5度(冷蔵庫の温度)も飲み比べさせていただいたのですが
5度の方が酸がより強く感じで、ぴちぴちしたテクスチャなので
10度では前から乗っていた旨味が、5度では余韻(後口)から出てくるように感じました。

 

スペックは
22年6月製造、精米歩合65%、日本酒度+1、酸度1.4、アルコール分15度
でした。

秋刀魚の生姜煮

そすは、えのきと春菊のペーストとのことで、
添えられている青菜はサラダ用春菊とのことでした。
骨まで秋刀魚は食べられるくらい柔らかく煮てありました。

肉料理&日本酒

締めの日本酒は、燗でいただきました。
鳥取県「九瀬家」濁理、生酛。

スペックは
22年3月製造、酒米:鳥取旭米100%、精米歩合81%、日本酒度+9、酸度2.5、アルコール分15度
でした。

お料理は、ラムチョップ・オレンジ味噌漬け焼き
時間かけて焼いたお肉とのことでした。

ソースの甘い味噌が食感も味わいも焼いたお肉とバランスよくて良いですね。
また、ペアリング的にも、味噌の甘味とコクが、濁りのお酒の柔らかな甘味に同調してるのを感じられました。

コース締めの食事&ラスト

締めには、おにぎりをいただきました。
ふんわりちょうど良い硬さのご飯は心がほっこりしますわ( ̄▽ ̄)
中の具には、海苔の佃煮にセロリの細いものが入ってました。

お吸い物には、しじみのおすましをいただきました。
すんごく鰹出汁効いている、味の染みる締めになりました。

デザートの、玄米茶羊羹。
一緒に玄米茶をいただけるのも贅沢でした。

 

以上でコース全て終了でした。

 

 

これだけの時間の中で、一つの映画のような、
色んな新しく、それでいてDNAにフィットする、
そんなお料理と日本酒の楽しさは、一つの映画を見終わったような、そんな感じでした。

 

3年前伺った際は電話で予約をして、今回はネットで予約をしたのですが
以前の記録をきちんと残し、今回どのくらい前に伺っていたかを
ちゃんと覚えて接客してくださったのには、本当に感激でした。

 

本音で、今後も長く通い続けたいお店だと思っています。
その割には間空きすぎてしまったので、今度はちゃんと記憶に残るくらいの間で伺いたいと思ってます。

初訪問:2019/6/14 update

予約したのは大体1週間くらい前だったでしょうか。

 

とにかく開口一番から電話応対がすばらしく、
本当は当初予定していた日ではなかったのですが、気持ちよく第二候補の日程に予約させていただき、
本当にその日が心待ちでした。

 

ですがそんな日に限って、普段暇で仕方ない(爆)仕事が伸びてしまい。。。
遅刻の電話をかなり直前にしたのですが、その際もとってもお優しい対応で。
まだ一歩もお店に足を踏み入れてないにも関わらず、
すでにリピートしようと心に決めてしまいました(笑)

なんとか到着。。。

この日はなんと他のお客さんがおらずお店貸切!!
夢のようです。。。

ペアリングコース開始!この日のコース内容は?

この日はカウンター専用の「初夏の9品コース」4000円に、2品に1種類のペースで日本酒をお任せでつけていただくことにしました。

 

本当はお料理1品づつ1種のお酒が飲みたい。。。
さりげなく「なるべくたくさん(日本酒を)飲みたいです」とお願いしてみました(笑)。

ちなみにこの日のお品書きはこちらです。
お酒と一緒にご紹介していきます。最後までお付き合いくださいませ。

先付けとペアリング

最初から早速日本酒です!1つでも多くのペアリングが体験したい(笑)。

 

日本酒は静岡県「磯自慢」純米大吟醸42。
夏らしい涼しげな瓶とラベルです♪

酵母由来系フルーツ香(酢酸イソアミル)主体な香りですが、ほんのり生のニュアンスも感じられました。
アタックはしっかりした酸にほんのり甘みが乗っており、爽やかな梅ジュース的な印象でした。
後口には収斂感とコハク酸の渋味が余韻となっていました。

お料理の全景・・・というかインスタと同じですね(笑)。

 

それと、スープというよりもすり流し、ですね(*^_^*)
温かいものを先に胃に入れて調子を整える、とのことで出していただいた一品でした。
やわらかい甘みとアクセントとして入っていた山椒がバランスよく合わさってました。
牛乳で伸ばしているそうで、昆布主体の和出汁だと思うのですが
洋テイストで味わえるお料理でした!。

前菜とペアリング

お酒は先付けではなくこちらと合わせてくださったとのことだったので
大事に飲ませていただいておりました(笑)。

お料理の全景、と言うかこれもインスタと一緒(笑)。

 

お料理名は「メロンと赤ピーマン」のみしか記載されていませんでしたが
実際は、自家製豆腐とオリーブオイルであえられた
新玉ねぎやパクチーが味の重要な構成になっていました(笑)。
それぞれ、味や香りの異なるものが複雑な食感と味を生んでました。
その複雑さをメロンと豆腐の甘味がうまくまとめてると思いました。

天ぷらとペアリング

出していただいたお酒は、福井県「九頭龍」純米 夏しぼりでした。

香り穏やかですが、ほんのりと酵母由来系フルーツ香(酢酸イソアミル)のような片鱗のあるスースー感でした。
アタックは優しい甘みとしっかりした酸主体で、
アルコール度数高めのピリピリした刺激も感も強く、熟れたメロンのニュアンスでした。
中盤から刺激は旨味を伴って余韻になり、どっしりとした後口に仕上がってました。
そんなどっしり感で辛口の印象を持つお酒でした。

お料理の全景です。
右からブロッコリー、かぶ、人参で、右から順にいただくようにとのことでした。

 

ブロッコリーは多分生から揚げてると思いました。すごく野菜の香りが濃かったです!。

蕪とにんじんは通常よりも長めに揚げているそうで、衣がカリカリに仕上がってました。

かぶの実はめっちゃ柔らかでした!
衣のカリカリと実の柔らかさとの対比が楽しい天ぷらでした。

人参も同様でしたが、加えてだがめっちゃ人参甘いです!
この甘さに引きこまれますね。。。
シナモンをふっていますがさりげないアクセントでよりにんじんの甘味が強調されていたようです。

冷菜(酢の物)とペアリング

海老と若芽の酢の物です。
従来ならばお酒とのペアリングではなく、箸休めと言うことでいただきました。
(でも残りの九頭龍を一緒にいただいちゃいました(笑)。)

自家製三杯酢であえてあり、何層にもなってるので何が入っているか当ててください、とのことでした(笑)。

 

りんごみたいのと白子みたいのは、分かりましたが
白子ではなくえびのペーストだったとのことです(笑)。

 

食材を食感が生きるように組み合わせるお料理が本当に好きなんだなーと感じられました。
こう言う創意工夫、私もとっても好きなのですごく楽しいですね。

お造りとペアリング

お酒は広島県「宝剣」純米 復刻ラベルをいただきました。

今までのお酒から一転し、穏やかな香りでした。
アタックはしっかりした酸と穏やかな甘味に、熟成的な苦味もほんのり感じて水飴を彷彿しました。
ピリピリした刺激が少し目立つようでした。
苦味はほんのり後口に残ました。

お料理の全景です。
切り身が多くて嬉しいです!

 

下はイサキ甘夏味噌マリネです。
イサキはすごく柑橘系の爽やかさが効いてました。

上は鰹漬け辛子塩麹。
(上でのメニュー写真では味噌でしたがこちらが正しいとのことでした)

 

いや〜めっちゃ旨い( ̄▽ ̄)。(表現乏しすぎっ)
塩麹の旨味と辛子がピンポイントでスッと口の中で馴染みます。
ハーブ(ブロッコリースプラウトとミョウガ)と漬け効果で血の臭みが緩和されて、
ハーブ感が食感も合わせてしっかり味わえました。
辛子は真ん中にソースとして乗っていますが、それがない部分でも充分美味しいです。

 

この漬けについてはすごく丁寧に説明いただいたのですが
頭は幸せと酔っ払いで(笑)あまり覚えられませんでした。。。
ごめんなさい(涙)。

茶碗蒸しとペアリング

なんかいいペースでお酒がなくなって、いい具合にペアリングが出来るのが嬉しいです♪

 

宮城県「浦霞」生一本を30度の燗にしていただきました。
香りは温かいうちは米由来の炊いた米的な香り主体でしたが、
消毒薬的なスースー感が燗冷ましで復活してきました。
アタックは穏やかな酸と甘味主体で、少しピリピリした刺激も感じましたがすぐに収まりました。
後口はピリピリした刺激が少しずつフェードアウトする穏やかな余韻がありました。

お料理の全景・・・と言ってもこれもインスタと同じです(笑)。

 

見た目プレーンな茶碗蒸しですが、すっごくアスパラの味が濃いです!!
アスパラとバターのあんがかかっているのです。
バターの甘みと滑らかさが出てますが、アスパラが一味上って感じです。

 

季節ごとに変えている茶碗蒸しとのことで、これは確かに病み付きになりそうですね( ̄▽ ̄)

魚料理とペアリング

メインディッシュと一緒にいただいたお酒は再び燗でした♪
宮城県「松の司」生酛純米酒を酒器2種類で楽しませていただきました。

両方とも香りはイソアミル主体のスースー感が主体で、
甘みと旨味がバランスよい燗に仕上がってました。
ですが口が広い酒器の方が口当たりに滑らかさが加わる感じがして、
このお酒には合っていたと思います。

お料理の全景です。

皮がぷりぷり、しかも旨味めっちゃ強い魚でした!
付け合わせのインゲンとオクラは出汁の沁み具合が抜群でしたが
それよりも素材自体が甘くてびっくりです。。。

 

魚は店内で軽く干してから酒蒸しにして味を吸わせてるとのことでした。

 

お酒に合うことを第一に考えて工夫されている料理にはとことん脱帽でした。。。

酒肴とペアリング

お酒は締めとして、デザート的な甘い貴醸酒どちらかと言われてましたが
どうしてもお料理が甘いお酒に合うような気分にならなかったので
再び燗をお願いしました。

 

そうして出していただいたのは、石川県「菊姫」山廃純米でした。
燗にしても相変わらずしっかりした熟成ニュアンスと酸がメープルシロップを思わせました。
アタックはしっかりした酸と甘苦さがコーヒー的なニュアンスでした。

お料理の全景です。

下にマスカルポーネがしかれてるというイレギュラーさがたまげました(笑)。
合うかどうかは・・・好みかな(爆)。
私的にはマスカルポーネチーズは甘すぎる、かな・・・と言う印象でした。
私ならリコッタチーズにするかも。
ただこれはどっちかと言うとデザート的なのを狙ってたんですかね。
確かに貴醸酒合いそうです(爆)。

締めのご飯とおつゆ

ここでは白にぎりをチョイス致しました。
インスタ的に卵かけご飯を選ぶ人が多いとのことでしたので、天邪鬼で(笑)。
おつゆはハマグリのお吸い物でした。

お茶も合わせていただきました。。。
お腹がいい具合にいっぱいです!

コース料理終了!全体的な感想は?

本当に最後まで大満足なコース料理でした( ̄▽ ̄)。
結果的にお酒もほぼお料理1品づつに1種いただけてしまいました(笑)。

 

他のお客さんがおらず、お酒も結局お料理1品ごとに出していただく
贅沢をさせていただいちゃいました。。。

 

こちらのお店に伺う前は
てっきり正統的?な和食のお店と思っていたのですが、
日本酒と寄り添うことを前提とした完全創作和食だったこと、
本当に驚き、感動でした!!
これは月ごとに変わるコース料理、月ごとに味わいたいですね♪

 

通常、予約していなくても、当日1時間前くらいの電話予約で来れるとのことでしたので
今度は当日ふらりと立ち寄る形で是非伺いたいと思います。

本日も素敵なお店との出会いに感謝です(^人^)

お店情報

住所:東京都豊島区南大塚1-51-18 高橋ビル1F
電話番号:03-5395-6707
営業時間:カウンター17時~23時、21時(最終入店)
定休日:日曜日
URL:食べログ

私的:日本酒バルチェックリスト

<どちらか一つ満たす>
☆店内内装がバル&バー風:
☆器ワイングラス    :
<全て満たす>
★当日予約か予約なしOK :○
★カウンター利用可   :◯
★こぼし提供無し    :◯

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