日本酒テイスティング講座:日本酒の味を構成する成分

      2017/11/08

上級クラス、第10回目です!
前回の講座の様子はこちらです。

本日のテーマ:味わいを構成する成分について

今回は、実際の成分名をいっぱい習いました。

甘味構成成分「糖」

糖を構成する成分数(1糖・2糖・3糖・・・)で分類すると、
酵母が分解できるのは1糖(グルコース)で、これがあるとアルコール発酵が進みます。

 

一方で、オリゴ糖に見られる3糖は、大きすぎて酵母が食べられず、
アルコール発酵の元にはなりません。(非発酵性の糖)

 

なので、それがそのまま味わいの甘さを構成することは確かなのですが
1リットル中、オリゴ糖含有量は通常の発酵系路で2グラムくらい。
あまり、これがあるからと言って「甘い」と感じるわけではなさそうです。

 

あと、糖からアルコールに変わる中間物質について
それらも甘味の構成要素ではあるのですが、それよりもそれらはトロリとしたテクスチャを形成します。

酸味・苦味・渋味構成成分

酸味の主成分は何と言っても「乳酸」。続いて「リンゴ酸」「コハク酸」が続きます。

 

苦味の主成分はアミノ酸であるアミン(類)。アミノ酸からアンモニアを作る前の生成物質です。
あと、発酵系路ではなく原料の中でも、水に含まれる無機塩(ミネラル)
苦味による味の深みを作り上げます。

 

渋味は、これもアミノ酸から生成されるチロシンがその物質の一つです。

テーマその2:香味成分・カプロン酸が出来ると言うこと

最近の日本酒のフルーティな香りの主成分とも言える「カプロン酸エチル」

 

これが出来ると言うのはかなり特殊な条件である・・・、
自然の摂理ではなかなか出来ないものであることを学びました。。。

 

詳細は省略しますが(笑)。

カプロン酸エチルが出来ると言うことは

・グルコース濃度が高い
→+4以上の辛口のお酒にはありえない。甘口に限定される。
・アルコール発酵の変わりにカプが生成される
→アルコール濃度が低い

 

そうでない日本酒ではカプ系の香りはありえないと言うことは
テイスティングにも非常に有用な情報ですね。

本日のテイスティングラインナップはこちら

本日のテーマ「味わい」を、
1・2・3ステップで5味がどのような割合で出てくるかを瞬時で判断する練習です。

あと、表現をする時に、アルコール度数が高いと言うことを表現する際、
香りのコメントに工夫をする必要があります。

 

例えば。二番目の試飲酒で。
酸とアセトアルデヒドとソトロンが程よく入ると「木香」的な香りになりますが
アルコール度数が高い場合は『その香りが「しっかり」感じることが出来る』と言うのです。

 

あまり感じない場合は「穏やかな」「優しい」・・・と言う形容詞を用いますが
それらは普段から使う練習をしとかないと、いざと言う時に出ないですから
ちゃんとこれらを意識して、今後はコメントを作りたいと誓いました。

 

本日もためになる学びをありがとうございました(^人^)

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