2019年インフィニット酒スクール福井セミナーに参加しました!

   

以前のブログで、インフィニットツアーで食い道楽をしたことを記事にしましたが
こちらです)

ちゃんと実のある講習がきちんと受けられる、ものすごく為になるツアーだったご報告です☆

福井酵母&麹&18年産原料米について学ぶ

まずは福井県食品加工研究所にて講義をいただきました。
ひたすら字ばかりになりますがご容赦ください(汗)。

講義その1:福井酵母の特徴と品評会向け酵母開発工程について

福井酵母の特徴はざくっと「酸が控えめであり、香気成分として主に酢酸イソアミルを出す」と言うことです。
(福井酵母に限らず、北陸系の酵母は全体的にそのような傾向とのことですが。)

 

なお、鑑評会で賞を取るには、カプロン酸エチル系の酵母が優勢と言われています。
なのでその不利な状況を打開するため、鑑評会向けに特化した酵母を開発しようと2年前から開発をこの研究所で始めたとのことでした。
(尚、酵母の開発には一般的に5年くらいかかるそうです。)

 

開発の結果完成したのがFK-801Cと言う酵母です。
だいたいカプロン酸エチルと酢酸イソアミルを同量程度生成することを目標に開発を進めていった結果こちらが生まれたのでした。

 

開発が難しいのは、単にカプロン酸エチルを多く出せばいい、と言う問題ではないためです。
カプロン酸エチルが多く生成されると、アルコール度数を高く作ることが難しくなり
(低アルコール原酒のお酒は製造技術に高度さを求められる)
また、結局はこれらの成分は有機溶剤の成分であるため、
量が多くなると苦味も出てくる(=味が悪くなる)ことから、グルコースが多くなる(甘くなる)傾向にあるからです。

そんな絶妙で微妙なさじ加減が必要な、根気のいる作業だとは。。。

 

そこから具体的な、培養からの結果から選定を繰り返していくわけですが
それぞれ、思い通りのパフォーマンスを出すものが出芽するのは本当に難しいんだなぁと思いました。

 

このくらいだったら許容範囲かな?、と言うのを選定して、
それをまた培養して、そこからまた選定して
・・・の繰り返しで、目標の香気成分を出すのが得意な酵母を育てて(?)いく様子。。。

 

私の説明じゃ何言っているんだか分からないと思いますが(笑)
この日、培養技術そのものよりも、根気強さと、選定する際の見極めの目の賜物だ!、と言うことを数字をもって体感させていただきました。

講義その2:麹品質について

酵母は日本酒の香味の特徴に重要なファクターであるように近年注目されていますが
実は麹も、その大きなファクターを担っていると言うお話でした。

 

麹菌は醪の段階では死滅していますが、麹くんが作った酵素は生きているのです。

 

日本酒には、糖化が得意な「αアミラーゼ」「グルコアミラーゼ」が多く生成することが必要です。
これが逆に味噌だと、糖化は控えめで、アミノ酸分解が得意な「プロテアーゼ」「カルボキシペプチターゼ」が優勢になった方が望ましいのです。

 

このコントロールは製麹(せいぎく)での水分&温度管理がとっても大切です。
発芽までは保湿、発芽後は乾燥をさせるため
床もみ時、布をかけるタイミングや米層の厚み、隙間の大きさなど
麹に触れている空気の温度を絶妙に調節しないといけません。

 

そうしてこの、仕舞時間(大雑把には、出麹の直前の乾燥時間)の調整で
糖化優位酵素・アミノ酸優位酵素の力を高める調整を行います。

 

結局、麹のこの酵素力によって、
アルコール発酵時に有効となる糖やアミノ酸の絶対量が決まってくるわけで
これを言ってしまったらおしまいと言うことになるのですが
この麹力を存分に生かせた場合は、精米歩合が何%かは味わいには全く関係なくなります。

 

とっても衝撃的な内容を、納得いく形で講義いただきました!。
もっと麹については研究が進んで欲しい分野であること間違いなしでした!。

講義その3: 18年産原料米 についての傾向

もう前の講義で結構疲れてしまい(爆)、結果と傾向だけ
私が感じた言葉で記します。
なので真に受けないでください(爆)。

・2018年産原料米は、全体的に硬質米で、水に溶けにくい
・そのため吸水を例年よりも多めに、蒸米は柔らかめにさせる
・製麹は十分な破精込み(大雑把には麹菌を米の中に育てること)をさせること

黒龍酒造の蔵見学!

さて、このツアーのもっとも重要なイベントは
一般非公開にも関わらず、新しく造られた黒龍酒造の見学が出来ることでした!

新しい蔵の外観です。超近代的です(笑)。

黒龍には、大吟醸を造る「正龍蔵」と、一般酒を造る「龍昇蔵」(←漢字自信なし・・・)の
2つがあるのですが、それが大雑把には建物の階で分かれている構成とのことでした。

 

細かいことを書いてはいけない上、写真撮影も禁止だったので
キーワードのみ書いておきますね。

 

これらのキーワードが、数年先に日本酒業界で
旋風を起こしていたら・・・幸甚です(笑)。

・ファインバブル
・高電圧電解(火入れ)
・高圧蒸し器

あと「酒母」「醪」って意味不明のメモあり。。。(苦笑)
思い出したら追記します(^_^;)

 

 

その後、場所を移して、テイスティング会もしていただきました。

テイスティング酒の中には、季節限定「大吟醸しずく」の原酒までもがありました。。。!!

 

本当に貴重な体験でした!
ありがとうございました!!

 

また是非参加したいと思います!!

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